23-2-11
【アウトカム評価調査デザイン別(単独施設・多施設共同研究、RCT/CER)】
★原稿未完成:今回入稿せず★
実践プログラムの効果的プログラムモデルが構築されたら、その取り組みが確かに期待する効果(アウトカム)を生み出すものであるかどうかを、科学的なプログラム評価の方法を用いて検証することが必要である。
科学的なアウトカム評価の方法には、エビデンスレベルの高い厳格なランダム化比較試験(RCT)から、RCTや準実験デザインを含む比較による有効性研究(CER)、その他の準実験デザイン、その他の質的・量的記述的アウトカム評価などがある。また、RCT、準実験デザインを含めて多施設共同研究を行い、評価結果の外的妥当性を高め、より現実の実践場面で活用可能な科学的根拠を形成するアプローチ法もある。
エビデンスレベルということでは、多施設共同研究によるRCT、単施設でのRCT、多施設・単施設での準実験デザイン、その他のアプローチ[単純前後比較×施設属性・フィデリティ、アウトカムモニタリング]の順に高い科学的根拠があると考えられている。しかしながら、そのプログラムの発展段階に応じて、あるいは制度化の程度に応じて、取り組むことができる、あるいは取り組まなければいけない評価デザインは異なってくる。また評価調査活動を行うには、大きな時間的・人材的・経済的コストが伴うために、特に実践プログラムの評価の場合は、プログラム実施事業所における実施可能性を考慮に入れて評価デザインを設定せざるを得ないこともある。しかし、プログラム評価が実践現場で受け入れと実施が可能であり、効果的なプログラムモデル形成に有効で、かつ可能な限り厳密で、科学的根拠にもとづく一定レベルのアウトカム評価を実施することは、常に求められている(評価のグッドイナッフ法則)。
以下では、まず最初に科学的根拠にもとづくアウトカム評価が必要である理由を整理した上で、エビデンスレベルに応じたアウトカム評価調査をどのような状況の中で選択する必要があるのか、説明することにする。
1. より高いエビデンスレベルのアウトカム評価を行う必要がある理由
【科学的根拠にもとづく実践(EBP)プログラムの意義】
サービスの信頼性が確保される
保健福祉関係者、サービス利用者、行政関係者の間で実施について合意形成が容易になる
財源確保の可能性が高まる
組織的なサポートが得られる可能性が高まる
サービスの安定的提供が可能
保健福祉サービス提供組織の中で、持続可能性が生まれる
2. 単施設でのRCTデザイン
・ウェイティングリスト法、メンタル方式
3. 多施設共同研究におけるRCTデザイン
・施設単位のランダム化
4. 単施設における準実験デザイン
5. 多施設共同研究における準実験デザイン
・施設属性分析、フィデリティ分析
6. その他のアプローチ
単純前後比較×施設属性・フィデリティ、アウトカムモニタリング、
質的アウトカム評価調査
7. まとめ
R1 X R2
R1 R2