12-1-22
1. 分析・検討の方針
既存制度プログラムや試行プログラムに対して、事業所をあげて組織的な取り組みを行い、効果的なモデルが追求されているかどうかが、各レベルのプログラム実践現場においてどのように位置付いているのか、プログラム関係者・利害関係者からの聞き取り調査、実施要綱の収集・分析調査、既存制度モデル・試行的事業モデルの実情把握調査などの結果ごとに比較して検討する。
プログラム実施要綱に示された実施組織やサービスの規定が、実践現場で実施されている実施組織、サービス内容と一致しているのか、解離がないかどうかについて比較表を用いて検討する。
2. 組織的な実施と効果的モデル追求状況分析表
既存・試行プログラムの現状把握の調査・分析を行った、キーインフォーマント、その他利害関係者からの聞き取り調査、実施要綱の収集・分析調査、プログラムの実情把握調査の結果ごとに、得られた情報をマトリックス形式の組織的な実施と効果的モデル追求状況分析表にまとめて記録する(表Ⅰ2-1-2??参照)。
それぞれの情報源から得られた情報を、分析表の1行に記し、プログラムゴールに関連した分析情報を記載して、比較検討する。
組織的な実施と効果的モデル追求状況に関連した分析情報としては、既存・試行プログラムの実施について、①事業所として組織的な対応しているか(実施組織を特別に設定、責任者配置、プログラムミーティングの設置など)、②効果を上げる実施のために部署間ジョインとによる取り組みをしているか、③事業所内で使用する実施マニュアルが作成されているか、④実施マニュアルは実践現場の創意・工夫、実践上の努力を反映して改訂しているか、⑤スタッフ研修の実施(事業所内・外)、⑥利用者数(定員の確保、拡大)、⑦利用者確保のための取り組み(広報、アウトリーチ等)、⑧アウトカムモニタリングの実施とサービスの見直し、⑨効果的プログラム実施に関する他事業所との検討会、意見交換会の実施、共同実施、⑩その他効果的取り組みのための工夫、などである。
キーインフォーマントやその他利害関係者に対する聞き取り調査結果、および都道府県・市町村のプログラム実施要綱の分析結果については、独立した別表にまとめて分析しても良い。その分析結果をまとめて、他領域のデータと比較検討することもできる。
特にプログラム実施要綱上のプログラムモデルとの共通性、ズレ・解離の状況、その調整方法については適切に分析する。
3. 組織的な実施と効果的モデル追求状況分析の留意点
日本の現状の福祉実践プログラムにおいては、実施要綱上のプログラムモデルの変更が困難であり、時に行政などからコンプライアンス違反を指摘されることがある。効果的プログラムモデルを追求する課程で生じたこのようなコンフリクトに、どのように対応、調整しているのか、についても、分析表には整理する。
組織的な実施と効果的モデル追求状況の分析は、プログラム理論・プロセス理論(サービス利用計画、組織計画)の形成・構築に関わる分析プロセスの一環と位置づけることができる。プログラムプロセス理論の作成とともに進めることも考慮できる。
■共通基盤の「サービス利用計画」「効果的プログラムモデルの構築」